ジャスティン・ビーバーを襲ったラムゼイハント症候群って何?治療法は?

’22年6月、歌手のジャスティン・ビーバーが難治性顔面麻痺のラムゼイハント症候群になったことを発表しました。

『顔のこちら側で笑うことが出来ないし、こっちの鼻の穴は動かない。顔半分は完全に麻痺している。僕は肉体的にも明らかにムリなんだ。』自身のインスタの動画で病状を伝えるジャスティンの様子は深刻そのもの。

 

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『明らかに体がペースを落とせと警告しているんだ。皆がそれを理解してくれることを祈るよ』と伝える彼の病状。ラムゼイハント症候群は何が原因で、脳の顔面麻痺とどう違うのでしょうか。

ラムゼイハント症候群は水痘帯状疱疹ウィルスが原因

ラムゼイハント症候群は水痘帯状疱疹ウィルスが原因で起こるもので、水ぼうそうや帯状疱疹の原因となるウィルスです。幼い頃に水ぼうそうに罹った人は、体の免疫力が弱ると帯状疱疹を引き起こすことがありますが、ラムゼイハント症候群はその最たるもので、免疫力の低下から起こります。

ラムゼイハント症候群は、具体的な自覚症状がないまま、ある日突然顔面が麻痺する病です。症状には以下の特徴が挙げられます。

  • 顔面の片方が歪む
  • 目や口をしっかり閉じられない
  • 片目が開いたままになるので、角膜が傷つき失明する恐れがある
  • 糖尿病患者の発生率が高いというデータがある

ラムゼイハント症候群は顔面神経を司る末梢神経がウィルスに侵されることで起こるので、脳が原因で起こる中枢系顔面麻痺と異なります。

中枢系顔面麻痺が眉間や額にシワを寄せることが出来るのに対し、ラムゼイハント症候群は麻痺した方は顔の筋肉が動きませんので、眉間のシワもよらないのが特徴です。

ではラムゼイハント症候群の治療法や回復率はどれぐらいになるのでしょうか。









ラムゼイハント症候群の治療は早期発見、自己免疫が鍵

ラムゼイハント症候群の治療は早期発見が鍵です。発症から3~4日以内の薬物治療、発症1週間以内のリハビリ開始望ましいとされています。薬物療法ではステロイドと抗ウィルス治療薬の内服で、顔面の血流を回復させることで顔面神経を回復させることがリハビリの目的です。

ラムゼイハント症候群の治癒率は6割と言われていますが、症状が軽く免疫力が強いほど回復が早くなります。しかし症状が重い、発見が遅れた場合は、治療1年後も顔面の一部に麻痺が残ったり、表情が乏しくなることは拒めません。

ではラムゼイハント症候群の前兆とみられる症状は何でしょうか

ラムゼイハント症候群の前兆は免疫力の低下と疲労?

ラムゼイハント症候群の前兆となるのは、意外にも疲労です。多くの方が風邪やインフルエンザ、おたふく風邪と勘違いしやすい初期症状がラムゼイハント症候群の前兆なのです。それは以下の通りです。

  • 肩こり
  • 後頭部頭痛
  • 耳の痛み、耳鳴り、耳詰まり
  • めまい、口腔粘膜の痛み、治らない口内炎

この他にも、新型コロナで免疫力が一気に落ち帯状疱疹になる人が増えるのも同じ理由です。

ジャスティン・ビーバーも、’22年2月に新型コロナを発症。大型ツアーを開始した2日後に発覚し、夏にツアーを延期。夏のツアーが始まろうとしていたその矢先に、ラムゼイハント症候群になったのです。

ラムゼイハント症候群は、言ってみれば体が長期休暇を与えてほしいという警告だと考えればよいのではないでしょうか。










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