相撲力士を100年に一度苦しめたのは相撲風邪の正体は?

コロナ禍で力士の休場が相次ぎ番付編成が困難を極める中、100年、200年前にも相撲力士が感染症で休場、急逝したのを御存じでしょうか。

史上最強の横綱の命を奪った謎の風邪はインフルエンザだった

今から230年以上前、江戸時代、寛政7年(1795年)。
当時の横綱連勝記録(63連勝)を持っていた4代目谷風が現役で急逝しました。
原因は風邪と言われていましたが、当時はやっていたインフルエンザではないかという説が有力です。

『わしを土俵で倒すのは無理だろうから風邪を引いた時にこい』という谷風の言葉が現実になってしまったのです。
この記録は昭和の大横綱・双葉山が69連勝を果たすまで破られることがなかったので、インフルエンザは時を超えて猛威を振るうか判ります。









相撲風邪はスペイン風邪だった

4代目谷風の急逝から1世紀。1918(大正7)年、当時の新聞に、この様な文が掲載されました。

第1次大戦中の1918年春、日本の統治下にあった台湾に大相撲の一行が巡業で訪れた後
巡業中の力士3人が急逝。その年の5月12日から始まる夏場所で各部屋の力士が大量休場に追い込まれました。

当時の大相撲は2場所制。10日間で行われ、幕内46人のうち最後まで場所を勤め上げたのは半分。横綱8人のうち6人が欠場。

当時の優勝は横綱栃木山。場所前にスペイン風邪が確認されていながら『出場する』と押し切ったというのだから、現在ではありえない話です。

この当時は『相撲風邪』と言われていましたが、この年の秋から猛威を振るったスペイン風邪だったのではないかと思われます。

過去の教訓から新型コロナ対策を学ぶ

日本相撲協会は、新型コロナウイルスの感染者と濃厚接触者について療養期間があけた直後に出場できる方針にしています。
しかし、’20年に、初っ切りの人気三段目力士・勝武士さんが新型コロナでお亡くなりになられたことは角界の方でなくても記憶に新しいことでしょう。

殆どのスポーツが、ソーシャルディスタンスを強いられる中、相撲は三蜜状態。
生活スタイル上、気管支炎の感染症を防ぐのが困難なのは200年以上前から変わりません。

昔は1年のうち20日働けば楽が出来る仕事と言われた相撲力士も、今はそうではないのです。
昔以上に病気に気を付けなければいけないと言えるのではないでしょうか。










合わせて読みたい!関連記事一覧

コメントを残す

このページの先頭へ