八代亜紀を襲った膠原病・抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎はどんな病気

歌手で画家の八代亜紀さんが、’23年12月30日膠原病療養中に、急速進行性間質性肺炎で亡くなりました。享年73歳、復帰が待たれる中でした。

過去に美空ひばりさん、上岡龍太郎さんの命を奪った急速進行性間質性肺炎は、肺がん、ヘビースモーカー、飲酒が原因とされていて膠原病も一因です。

八代亜紀さんの命を奪う原因となった膠原病、抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎はどんな病でしょうか。

抗MDA5抗体って何?

抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎の、抗MDA5抗体は、’09年に発見された『自分の体を攻撃してしまう抗体』です。発見されてから歴史も浅く治療法が確立されていません。

4割の患者が急速進行性間質性肺炎に移行して亡くなっています。

抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎は、膠原病であり皮膚筋炎の一種です。皮膚筋炎特有の自覚症状である筋症状(筋力低下(体幹や四肢))が見られないので、気が付くと肺炎を併発し手遅れになるケースが後を絶ちません。

筋炎の血液検査では『クレアチンキナーゼ(CK)』とミオグロビンの数値が上昇します。筋組織、タンパク質が破壊されると数値が上昇する項目ですが、これらに異常がみられないのも、抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎の特徴です。









抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎の診断方法

抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎の診断方法は血液検査と所見で判断します。

  • フェリチンと抗MDA抗体価(血液検査)
  • LDH、KL-6、SP-D(血液検査)
  • 間質性肺炎(9割の患者)
  • 発熱(7割の患者)
  • レイノー現象(3割の患者)
  • 関節炎(4割の患者・骨破壊に至らない)
  • ヘリオトープ湿疹(6割の患者)
  • ゴットロン兆候(四肢:8割の患者)
  • ショールサイン(首回りが赤くなる)

患者は40~60歳代の女性に多いことが判明しています。では抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎の治療法は、どの様なものでしょうか。

抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎の治療法

抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎は、確立された治療方はまだありません。

抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎の治療法の主軸は免疫抑制剤3剤服用です。副作用も心身共に強い治療法となり、周りの人の支えが必要です。

  • ステロイド軟膏もしくは服用(皮膚症状のみの初期)
  • ステロイドパルス療法(3日間大量点滴療法)
  • 免疫抑制剤3剤(タクロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、ステロイド)
  • 血漿交換
  • JAK阻害薬
  • 免疫グロブリン製剤

軸となる3剤併用に、JAK阻害薬、血漿交換を付け加える治療法があります。症状が進み嚥下障害や歩行障害が出た場合は、免疫グロブリン製剤を服用します。

抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎の原因は

抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎の原因は、未だ不明ですが、公私の環境の変化や疾病が挙げられます。皮膚筋炎や膠原病が、ある日突然発症する病です。

私たちの体は日々の積み重ねが原因で思いもよらぬ病を発症することがあるのです。










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