新型コロナ・薬が効くのは発症2日後その理由

何故新型コロナは、インフルエンザ、SARS、MARSなど他の呼吸器系ウィルス感染症に比べ早く感染するのでしょうか。

新型コロナは他のウィルス感染症にくらべ、ウィルス排出量のピークが5~10日早いのです。発症2日以内に抗ウィルス薬を投薬しなければ効き目が望めないという研究結果が明らかになりました。

新型コロナが1人の感染者から多くの感染者が出る理由も、2日が発症ピークであるも説明がつくのです。

コロナウィルス同士でも全く異なる感染ピーク

感染症治療は、体内でウィルス増殖がピークを迎える前に投薬する事がインフルエンザの臨床研究でも明らかになっています。

米オンライン科学誌PLos Biology に掲載された研究論文では、新型コロナと同じコロナウィルスであるSARS、MARSを比べた結果が掲載されています。

この論文は、何故新型コロナはSARS、MARSに比べ封じ込めが難しいのか、以下の項目でデータを集め解析しました。

  • ドイツ、シンガポールから新型コロナ患者各30人のデータを集める
  • 新型コロナ患者の上気道(鼻と喉)のウィルス量を長期間記録
  • SARS、MARS患者、14人ずつのデータを収集、解析
  • 新型コロナ、SARS、MARS患者のウィルスが体内増殖する日程を解析

この3つのコロナウィルスは感染地域も、体内でウィルスが増殖するピーク時期も、ウィルスが増殖するスピード、量も異なります。

その為、封じ込め方が、全く異なるのです。









新型コロナの投薬は発症から2日以内である理由

新型コロナをはじめとするウィルス感染症は発熱など発症を得て体内でウィルスが増殖し、ピークをむかえます。

©asahi.co.jp

新型コロナはSARS、MARSに比べ、ウィルス量こそ少ないものの、体内のウィルス量がピークに達するのが僅か2日と他のウィルス感染症に比べ早いのが判ります。

SARSが7.2日、MARSは12.2日ですので、抗ウィルス薬の投薬に余裕がありますが、新型コロナは僅か2日です。

だからこそ予防接種の必要性が叫ばれています。

これらの研究は九州大学大学院理学研究員・キム・クアンス特任教授、名古屋大学・岩見真吾教授(前九州大学准教授・異分野融合生物学)、米インディアナ大公衆衛生大学院・江島圭介助教授らの研究によって明らかになったものです。

治験の結果が食い違うのは何故なのか

抗ウィルス薬の治験の結果が大幅に食い違う事がありますが、これに対し岩見教授は抗『本当は有効な薬でも投薬が遅れると望む効果が期待できないのでは。』と言及しています。

新型コロナの投薬の治験は岩見氏の研究結果を取り入れ、発症まもない患者には抗ウィルス薬を投薬しています。










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