蜂窩織炎(ほうかしきえん)ってどんな病気?白鵬もなった?ひっかき傷が原因て本当?

蜂窩織炎(ほうかしきえん)という症状を聞いたことがあるでしょうか。
ある日突然、体の倦怠感や熱と共に足が2倍に腫れあがる病です。通常は股関節より下に炎症が出ることが多く、ブドウ球菌や水虫など真菌が原因とされています。

新型コロナの流行と変異株の席捲で、免疫力の衰えが懸念される中、蜂窩織炎は、どんな時に発症するのか、原因、治療法、再発の危険性について説明していきたいと思います。

蜂窩織炎は細菌感染症の一種

蜂窩織炎は細菌感染症の一種です。
生活習慣の乱れによる免疫力の悪化、過度のストレス、ひっかき傷から入ったブドウ球菌や連鎖球菌が原因とされています。

主に以下の症状がみられます。どれぐらい痛いかというと、これぐらい痛くなる人もいます。

  • 患部が炎症を起こして赤く腫れる
  • 潜伏期間は2~3日、突然現われる
  • 痛風と間違われることが多い
  • 足に起こった場合、骨折、捻挫と間違われることも
  • 生活習慣病がある場合は点滴治療
  • 悪寒、発熱を伴う場合は入院

放置しても自然治癒するものではありません。
血液検査など各種検査が必要になりますので、総合病院の整形外科に行くことをお勧めします。

検査は採血やレントゲンが主です。
蜂窩織炎の場合、採血では白血球やCRP(炎症を表す数値)が上昇します。









丹毒、とびひとの違いは?

丹毒、とびひ、蜂窩織炎の違いは、同じ細菌感染症でも皮膚の深い所か浅い所で起きるかです。
3つの細菌感染症の特徴は、常在菌が原因で起こりうつらないのが特徴です。

皮膚の浅い所で起きるもの順に並べると、とびひ(表皮)、丹毒(真皮)、蜂窩織炎(皮膚神経細胞)になります。
神経細胞に達する所で炎症が起きるので、骨折、捻挫、痛風と間違われるのが判ります。

丹毒が頭部、顔に主にできるのに対し、蜂窩織炎は末端部、股関節から下、もしくは肘から下に出来ます。
症状が悪化すると患部が広がり、激痛が走り、私生活に支障をきたすので、症状がでたら早めに病院へ行きましょう。

蜂窩織炎と症状がよく似ている『壊死性筋膜炎』という病気では、発見後すぐに周囲の皮膚・皮下組織を手術で取り除くデブリードマンという処置を行わないと高率で死に至るため、的確な診断が必要となります。

蜂窩織炎の治療法

蜂窩織炎は抗菌剤を使用します。ブドウ球菌とレンサ球菌のどちらにも有効な抗菌薬を使いますが、ペニシリンに対してアレルギーがある人にはマクロライド系薬剤が代替薬として処方されます。

  • アンピシリン(ジクロキサシリン)
  • ケフレックス(セファレキシン)
  • クリンダマイシン

蜂窩織炎の症状が軽い場合は飲み薬で治療可能です。

生活習慣病のある患者には静脈点滴も

しかし症状が重篤かつ急速だったり、腎不全、糖尿病、肝臓病、動脈硬化など生活習慣病がある場合オキサシリンやナフシリン、セファロスポリン系薬剤など、抗生剤の静脈内注射・点滴が行われます。

浮腫みや患部の不快感がある場合は、患部を洗浄、高い位置に固定(足の場合は下肢挙上)し、浮腫みを防ぎます。

蜂窩織炎の再発、合併症は?

蜂窩織炎の合併症は、壊死性皮下組織感染症や転移性感染病巣を伴う菌血症(血流を通じて細菌が拡散する)もので注意が必要です。
同じ所に何度も再発すると、リンパ浮腫や慢性リンパ管閉塞になる可能性もあります。

免疫力を高め、生活の中の常在菌に負けないからだ作りをすることが大事です。
蜂窩織炎を防ぐため、強度の高すぎる運動はさけ、ほどほどに体を動かし、ほどほどな付き合いを心がけましょう。










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