頭痛薬が原因の薬剤乱用頭痛とは?見分け方を解説
頭痛に悩まされている方は週もしくは一日に何回頭痛薬を服用されているでしょうか。
頭痛薬は頭痛を鎮めるための鎮静薬ですが、2010年に入ってから頭痛薬が原因の頭痛が問題視されるようになりました。
頭痛には3種類ある
一般的に頭痛は以下の3種類があります。
- 片頭痛
- 緊張性頭痛(ストレス性頭痛)
- 薬物乱用頭痛
片頭痛のみ鎮痛剤の効果がみられ、緊張性頭痛はストレスが引き起こす筋肉の凝りをほぐさなければ痛みは治まりません。
緊張性頭痛は脊柱管作症の様に声にあげて『痛い痛い』というタイプの人でなく『痛みを我慢すれば仕事は出来る』と思いこむ人がなってしまうので、鎮痛剤に頼る人が多くなります。
では薬物乱用頭痛はどの様なものでしょうか。
薬物乱用頭痛とは
薬物乱用頭痛には以下の特徴があります
- 月の半分以上鎮痛剤を飲んでも痛みが治まらない
- 鎮痛剤が年々効かなくなってきた
- 鎮痛剤を変えても効果がない
- 薬をかえても休んでも、すっきりと痛みがひかない
- 頭痛の質が前と違う
- エナジードリングを飲んでも効果があまり感じられない
日本では詳しいデーターが出ていませんが『慢性頭痛ガイドライン(医学書院)』によりますと、諸外国では人口の2%が薬物乱用頭痛で患者数の7割が女性であるという報告があります。
緊張性頭痛から乱用頭痛に変わる人も
薬物乱用頭痛であるかどうかは頭痛外来の専門医やペインクリニックが少ない事もありますが、頭痛そのものが痛みを我慢する人に多い病である事が原因です。
診断も難しく、ストレス性頭痛から薬物乱用頭痛になってしまう患者さんも多数います。
鎮痛剤の代表格でもあるロキソニンにも薬剤乱用頭痛の警告を出しています。
以前高齢者の薬の乱用について書きましたが、薬の乱用は健康を損ねます。
では具体的に薬物乱用頭痛の治療法はどの様なものでしょうか。
減薬ではなく予防薬かやめる
薬剤乱用頭痛の治療は、減薬では戻ってしまうので、予防薬との代替えか完全にやめるかどちらかになります。
予防薬の種類は以下の通りです。
- 抗けいれん剤(バルブロ酸ナトリウム)
- ベータ拮抗薬
- 抗うつ薬
いずれの薬も眠気があるなど副作用がありますので、鎮痛剤をやめる方向で、理学療法、運動療法、鍼灸、認知行動療法などを組み合わせていきます。
薬剤乱用頭痛のまとめ
薬剤乱用頭痛について特徴と治療法についてまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。
改めて薬物乱用頭痛の特徴と治療法をおさらいすると以下の通りになります。
- 薬物乱用頭痛は市販薬の服用しすぎから起こる
- 市販薬が効かなくなる、頭痛が引かないのが特徴
- カフェインドリンクが効果がない
- 治療法は市販薬を完全にやめる事
- 相性のよい頭痛外来、ペインクリニックをみつけること
薬物乱用頭痛は見分けにくく治療も長期間かかります。意見を言いやすく快く紹介状を書いてくれる医師を見つける事が良い治療法につながります。
慢性痛のない人の方が、健康寿命もながく認知症にもなりにくいのです。質のよい生活をおくる為にも慢性頭痛と向き合いましょう。