新型コロナで手足口病が100分の1に?激減の理由は消毒?
’20年の新型コロナ流行後、新しい生活様式として『うがい、手洗い、消毒』が定着しました。これにより夏の子供の病気が以外な形で激減したのです。
7月~8月上旬は手足口病流行のピークですが、’20年7月は流行した’19年の100分の1に激減したことが国立感染研究所の調査で明らかになりました。
手足口病って?
手足口病は名前の通り口腔粘膜、手、足に水疱発疹が出来るウィルス性の疾患です。
世界では戦後発見され、日本では’67年に明らかになり、’81年から患者数の統計を取り始めました。
手足口病の特徴は以下の通りになります。
- 2~4歳の男の子に多く潜伏期間は3~5日
- 微熱が続き、全身倦怠感を伴い、腹痛、吐き気、口の中にできものが出来る
- 特効薬やワクチンはなく対処療法のみ
- 1週間で治癒する軽症の患者が9割
- 発症するウィルスは三種類で、一度罹患したものは免疫がつく
手足口病のウィルスは、コクサッキーウイルスA6・A16、エンテロウィルス71(EV71)型の三種類で、水疱が大きいコクサッキーウィルスA6に罹患すると、発症後数週間して爪が剥がれる『爪脱落』になることがあります。
エンテロウィルス71に罹患すると中枢神経に合併症を引き起こす危険性があり髄膜炎、急性脳炎になる可能性があります。
国立感染研究所の調査によりますと衛星概念の乏しい国ではエンテロウィルス71による手足口病の流行と、幼児の死者が報告されています。
’97年4月~6月にはマレーシアで、’98年には台湾で、中国では900人以上の人が手足口病が原因の合併症で亡くなっているのです。
では新型コロナウィルスが流行した’20年夏、何故日本では手足口病の患者が激減したのでしょうか。
手足口病と新型コロナウィルスに共通するものとは
手足口病と新型コロナウィルスに共通するものを、’20年現在でいくつかあげてみました。
- 飛沫、接触、三蜜、排泄物など感染経路が同じ
- 特効薬のないウィルスである
- 予防は徹底した手洗いと消毒、タオルを共有しないこと
- 規則正しい生活を心がけ免疫力をつけ体を守る
手足口病は、一度免疫力がついたウィルスについては原則発病しないと言われています。もし次の年に罹患したのであれば違うウィルスの手足口病に罹患したことになるのです。
’19年に手足口病が流行したこともあり、’20年7月6日~12日、国立感染研究所は、全国約3000の小児科から手足口病の患者数を報告して貰った所、患者数は436人(前年4万人)と100分の1。
1医院あたり0.14人になったそうです。要因は徹底した手洗い、消毒、規則正しい生活を心がける事による免疫力の強化です。
夏は手足口病が怖いのでお子さんをプールに連れていけないという方もいらっしゃるかもしれませんが、この結果をみれば、衛生概念と免疫力の向上を両立させれば良いという事が判ります。