水も飲めない?!食道アカラシアとは?逆流性食道炎と誤診が多い初期症状・原因・治療法
食道アカラシアは、食道下部に食べ物溜まり嘔吐する病気です。悪化すると水も飲めなくなります。
初期症状が、胸のつかえ、胃もたれ、嘔吐など逆流性食道炎と似ているため、誤診が多く見逃されやすいのです。
食道アカラシアの原因は食道蠕動運動の異常
食道は、食べ物を胃に運ぶ蠕動(せんどう)運動があります。食道の蠕動運動のおかげで、口から胃の上から下へ食べ物が落ちていくのです。
何等かの原因で、食道の蠕動運動が正常に働かなくなる病気を、食道運動異常症と呼び、食道運動異常症は以下の病を引き起こします。
- 嚥下障害(飲み込みが困難になる)
- ジャックハンマー食道(過剰収縮食道)
- 食道アカラシア
ジャックハンマー食道は、食道の出口が渦巻き状になることで、喉の筋肉がけいれんする食道の病気です。バリウム検査(消化管X線造営検査)で見つかることが多いです。
食道アカラシアも、ジャックハンマー食道も何らかの原因により、食道の蠕動運動が正常に動かなくなり命の危機に晒されます。
食道アラカシアが逆流性食道炎と誤診される理由
食道アラカシアが逆流性食道炎と誤診される理由は、初期症状が似ているからです。
食道アラカシアの初期症状は、以下の通りです。
- 喉の違和感
- 飲み込みが悪い
- 胸のつかえ
- 嘔吐
- 食べられない
消化器内科、消化器外科専門医が少ないことや、食道疾患専門医が少ないことが発見の遅れに繋がっています。
では食道アラカシアの検査や治療法はどうなっているのでしょうか。
食道アラカシアの検査と治療法
食道アラカシアの検査は、以下の検査方法があります。
- 内視鏡検査
- 食道マノメトリ(食道内圧検査)
- 食道バリウム検査
- その他内臓検査(心電図など)
食道内圧検査はかなりキツい検査になります。その後治療に入りますが、完全に症状をなくすのは不可能なので、あくまで対処療法になります。
内服薬と外科的療法の2種がありますが、内服薬は強度の降圧作用があるので、現在はあまり使用されていません。令和現在治療法として用いられているのはPOEMと呼ばれる内視鏡手術です。
食道アラカシアのPOEM療法とは
POEM(Per-oral endoscopic myotomy経口内視鏡的筋層切開術)は、内視鏡を用いて硬化した食道の筋肉を切開し食物の通過を良くする内視鏡手術です。
’08年9月、昭和大学北部病院にて、井上晴洋教授(江東豊洲病院消化器センター長)によって行われたのが最初のPOEM法は、’16年に保険適応。
入院日数1週間、16万で治療可能になりました。今までの内視鏡治療(バルーン拡張術)では食道破裂のリスクがあったこともあり、画期的といえます。
デメリットは先進医療の為、専門医が少ないことです。食道アラカシアの外科治療は消化器外科、消化器内科、食道外科専門医認定施設で行われます。専門医認定施設は、全国で135施設(’23年現在)のみ。東京、大阪、北海道は医師の数が多いものの、その他の東北、四国は1施設のみ、沖縄は認定施設がない状態です。
食道に負担をかけない生活が再発を防ぐ
これだけの難病にも関わらず難病してされていないという食道アラカシアですが、なるべく喉に負担をかけない生活で再発を防ぐことが可能というのが判明しました。
食道アカラシアは、食道下部に食べ物溜まり嘔吐する病気です。悪化すると水も飲めなくなります。 初期症状が、胸のつ…
例えば、アルコールで顔が赤くなり性格も変わるような人が、ヘビースモーカーで早食いの大食いだった場合。再発のリスクは高くなります。クオリティ・オブ・ライフを見直すことも、病を寄せ付けない第一歩です。
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