【チャーハン症候群】レンチンでも殺菌できない?予防法は調理後小分けにして冷蔵庫

チャーハン症候群という言葉をご存じでしょうか。食中毒の一種で、セレウス菌と呼ばれる土壌菌が原因です。焼き飯、パスタなど加熱したデンプン質が原因で、抗生物質も効果がないことから、調理後の保存が唯一の対策となっています。

チャーハン症候群はセレウス菌が原因の食中毒

チャーハン症候群は、セレウス菌が原因の食中毒です。病状の特徴は以下の通りです。

  • 下痢型、嘔吐型があり、嘔吐型が患者の9割を占める
  • 下痢型は潜伏期間6~15時間、水溶性下痢と腹痛
  • 嘔吐型は潜伏期間が30分~3時間、嘔吐が主
  • 原因になるのは、加熱したデンプン類を長時間室温放置(5時間以上)
  • ラップに包んで、放置した場合もリスクはある
  • 免疫力が弱っている子供、老人、疲れている人がかかる
  • 生活習慣病、内臓疾患のある人は劇症化するリスクがある

病院で検査をして貰い、初めてチャーハン症候群と判明した患者さんも多く、軽症の患者さんの中には、ただの食あたりですませてしまう人もいます。

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セレウス菌にはどの様な特徴があるのでしょうか。









夏のお弁当にいれてはいけない焼き飯?

セレウス菌の特徴は主に以下の通りになります。

  • 酸、アルカリに強く、126度の熱でも殺菌できない
  • 28~35度で食材の中に萌芽(胞子)を作る
  • 食材に熱を加えると、75度で発芽しセレウリドという毒素を出す
  • セレウリドを出した後、新たな萌芽を作るので、熱に強い
  • 加熱した食材を小分けにして8度以下の冷蔵庫に保冷するのが対処法
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セレウス菌が一番増殖するのは28~35度というのは、真夏の気温です。夏のお弁当にチャーハンは持たせてはいけないことになります。では炊飯器で炊いたご飯は冷ましておにぎりにすれば、何故大丈夫なのでしょうか。

炊飯器の保温機能は2時間まで

炊飯器の保温機能は60度。セレウス菌の萌芽が発芽し毒素となるセレウリドとなる75度に届かないようになっています。それでも4時間以上放置するとセレウス菌が増殖するおそれがあるので、低温熟成調理をしたい場合は、ヨーグルトメーカーを使うことがお勧めです。

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チャーハン症候群はなぜ知られる様になったのでしょうか。

チャーハン症候群は、’08年の死亡例から知られる様になった

セレウス菌は、1887年に発見され、病名は’70年代につけられましたが、チャーハン症候群が有名になったのは、’08年のベルギーの学生の死亡例です。

’08年ベルギー、ブリュッセル在住20歳の大学生の青年は、日曜に1週間分の食事を作り置きし、冷蔵庫に入れていました。しかしその時はトマトソースのパスタだけ冷蔵庫に入れ忘れ、5日間常温でそのままにしてしまったのです。

学生は『何か味がおかしい』と思いつつ、買ったトマトソースが新しいのもあり完食。

30分後激しい嘔吐と下痢に見舞われ、数時間も下痢と頭痛に悩まされ、下痢がおさまった後、横になって休んでいました。翌朝起きてこない息子を両親が見に行くと既に死んでいたというのです。

死亡解剖の結果、劇症型セレウス菌食中毒で、肝臓が壊死して亡くなったことが判りました。

チャーハン症候群を防ぐには

チャーハン症候群を防ぐには、加熱した食材を1~2時間かけて冷ました後、小分けにして冷蔵庫に入れることが大事です。ご飯ものなら、平らにして冷まし、ラップをかけ、小分けにして保管しましょう。

カレー、シチューなどの汁物でしたら、小分け容器に入れて保管するのも良い方法です。セレウス菌の増殖する温度まで食材を放置しないことが唯一の防御策になります。