ノロウイルスの症状は子供でも軽いことがあるって本当?
ノロウイルスというと冬場に感染者が増加する事で知られる食中毒の一種だと言われていますが、大人も子供も感染する可能性があるウイルスなので予防が重要です。
ただ100%予防する事は難しく、そのため毎年患者さんが出てしまったり集団感染してしまったりするウイルスでもあるのです。
さて、同じノロウイルスに感染したのに子供でも大人でも症状の出方が違うものですよね?
どうして軽い人と重い人が出てくるのか を簡単に説明しましょう。
ノロウイルスは平等に症状を出します
当たり前のお話しですが、ウイルスは人の体の中に入り込んだ時は全て同じものですので、同じように症状を発症するものです。
特に子供の場合には集団感染しやすい状況にあるのですが、感染した子供の中にはそれほど症状が重くなく、軽い症状で済んでしまう子供もいます。
これはどうしてなのか不思議に思う方も多いと思うのですが、簡単に説明していくと免疫力とか抵抗力とかの問題が関係していると言われているのです。
抵抗力・免疫力とノロウイルスの症状
ウイルスはどの人にも同じ影響を与え、その反応として同じような症状が出てくるものなのですが、感染した子供の免疫力や抵抗力によって症状の出方が違うというのです。
例えば軽い症状で済んだ子供の場合だと、以前にも同じ型のノロウイルスに感染した事があって免疫があるといった場合、感染したとしても軽い症状で済む事もあるようです。
ところが、初めての感染の場合には、当然ですが免疫力も抵抗力も関係なく強い症状が出てしまうものなのです。
もちろん抵抗力が強い子供の場合でも同じように軽い症状で済んでしまう事もあるでしょうが、やはり抵抗力や免疫を持っている子供と持っていない子供とでははっきりとした違いがあるのでしょう。
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遺伝で変わる?症状の出方
免疫力とか抵抗力とかは別として、全くノロウイルスに感染した事がないのに軽い症状で済む子供さんも当然いらっしゃいます。
実はこの軽い症状で済んでしまうというタイプは、免疫とか抵抗力とかではなくて『遺伝』で症状が軽い、または症状が軽く済むというタイプなのだそうです。
小腸にある「血液型抗原」が関係していると言われているのですが、恐らく聞いたことがないと思うので簡単に説明していきます。
小腸の血液型抗原とは?
簡単に血液型抗原についてを説明します。
私たち人間は全てABOという血液型で成り立っていますよね?この血液型には抗原というものがあるのです。
そしてこの血液型抗原とノロウイルスにはとても密接な関係があり、O型の血液型の方は感染しやすく、しかも1番症状が重く出てしまうのだそうです。
次にA型が症状が重くなりやすいという結果が出ています。
B型がもっともノロウイルスに感染しにくいと言われているのは、血液型抗原がノロウイルスと結合しにくいタイプだからなのだそうです。
つまり遺伝的に血液型がB型の子供はノロウイルスが流行していて感染しても、それほど強い症状が出ずに軽い症状で済むというわけなのです。
当然一度感染すれば抗体ができますので、次からは感染しない子供も出てくるというわけですね。
あとがき
いかがでしたか?
このように血液型によっても症状の出方が違うというのも不思議ですが、研究施設などで実験した結果なのです。
だからといって予防をおろそかにしてしまったり、対策をしっかりとしなかったら重症化する事だって考えられますので、これからの季節は特に気を付けるようにしましょう。
完璧に予防ができないものだからこそ、家族みんなで地域ぐるみで感染を予防し、感染者が出た場合には伝染を防ぐようにすべきなのです。