高齢者の手首骨折リハビリは何故痛い?途中で投げ出してはいけない理由

前回、手首骨折についてお話しさせて頂きましたので今回は手首骨折後のリハビリについてお話しさせて頂きます。

後期高齢者の骨折は4通り

後期高齢者の骨折は大きく分けて以下の4通りに分類されます。

  • 手首の骨折(橈骨遠位端骨折)
  • 股関節の骨折(大腿骨頚部骨折)
  • 背骨の骨折(胸腰椎圧迫骨折)
  • 肩の骨折(上腕骨頚部骨折)

股関節や背骨が加齢や疲労から来るのに対し、肩と手首は転倒から来ます。
何もない所で、つまずき転び、大事になるケースが相次いでいます。

では手首骨折のリハビリが続かないのは何故でしょうか。









骨折のリハビリは何故続かない?

高齢者の手首骨折はリハビリ次第で元の可動範囲に近づく事ができますが、
リハビリが骨折から三か月以上に及ぶ上、痛みを伴います。

リウマチや心臓病を患っている場合は、命にかかわりますので、
骨折のリハビリが長期になった挙句に完治しないまま中途半端な痛みを
ひきずることもあるのです。

手首骨折のリハビリは運動療法と超音波療法があり、
患者さんの回復度、容態をみて組み合わせますが、運動療法は必要になります。

長い間ギプスをして固定されていた手首や肘は、急激に筋肉が削げ落ち、
手首だけでなく、腕すら支えられなくなっているのです。

そこで近年ではギプスを外す前から、骨折箇所以外のリハビリが行われています。

ギプス固定中は手の指のリハビリをする

ギプス固定中は、手の指を積極的に動かします。
手首を骨折した人しか判らないのですが、手の指『だけ』動かすというのは、
最初はつらく感じます。


©mgh.jp

ギプス固定中は、手の指を動かそうと思うと、
指がバンバンにむくんで関節すら曲がらない患者さんが多いです。
指を上からさするだけでも痛いという方も居ます。

この様な場合は、無理をせず、一休みしてからリハビリを行ってください。
痛すぎるリハビリは年代を問わず体の為にはなりません。

ギプスが外れてからは手首から肘の筋肉をつける

ギプスが外れてからは、手首や肘にかけての筋肉をつけます。
その為に、骨折してから動かしていない手首を自力で動かすリハビリを行います。
接骨院や整体では整体師がやってくれますが、自宅で患者さんがリハビリを行う場合は、
テーブルに肘を固定してやります。

最初に行うのは手首を手のひら、手の甲交互に動かすリハビリです。
最初は手首すら曲がらず痛みを伴いますので、動く方の腕で支えながらやるか
介助者の手を借りるのもよいでしょう。

最初から無理に可動範囲を広げるのではなく、徐々に広げるように
根気よくやるようにすることが、骨折前の可動域に近づき、元通りになる近道です。