ストロング酎ハイがなくなる?!’20年80品目近く→’24年新商品なしの理由
’20年には80品目近くあった酒造メーカー売りの商品・ストロング缶ハイ。’24年から酒造各社が既存商品販売に絞り、新商品をリリースしない方針にしました。
安く酔えるを売りにしたストロング系酎ハイ。コンビニでも気軽に買える上、飲み放題でも人気です。しかし’20年に1776億円だったストロング系の市場は、’23年末は1365億に減少。背景にあるのが、各酒造メーカーの商品撤退と、厚生労働省の是正指導です。
ストロング系酎ハイはなぜやり玉にあがった
厚生労働省は、’21年3月。『アルコールによる健康被害対策』を発表。アルコール量が高い飲みきりタイプの飲料が健康被害を及ぼすと、ストロング系酎ハイを遠回しに罷免。
厚生労働省の是正により、酒造メーカー各社は、アルコール飲料販売時に、アルコール度数でなく純アルコール度を缶に明記するようになりました。
生活習慣病のリスクが高くなると厚生労働省が指定するアルコール量は女性20g、男性40gです。アルコール度数40%のテキーラ1ショットが15gです。ストロング系酎ハイのアルコール量は何gでしょうか。
1本で1日分、3本で依存症?!ストロング系酎ハイの怖さ
ストロング系酎ハイのアルコール量は、350mlで20gを超えます。
純アルコール量でいうと、500ml1缶でウィスキーロック30ml3杯分なのです。オンザロックは飲めなくてもストロング系酎ハイなら飲める理由は、炭酸で口当たりがよく、ジュースの様に飲めるからです。
低カロリーなのは人工甘味料やコーンシロップのお陰で、アルコール以外にも肥満の原因にもなります。では市場からストロング系酎ハイは完全になくなってしまうのでしょうか。
ストロング系酎ハイは市場を縮小して生き残る
ストロング系酎ハイは完全になくなるというわけではないでしょう。一定の消費者ニーズがある限り、酒造メーカーも無碍に販売中止にはできません。居酒屋の飲み放題はビールだけでなく酎ハイも支えています。
これからは消費者である私たちのモラルが問われるでしょう。ストロング系の元祖は’84年1月に発売されたタカラ缶チューハイです。この頃は、アルコール依存症が缶チューハイのせいだと、やり玉にあがることはありませんでした。
特定のジャンルの商品がやり玉にあがるということは、たしなむ側のモラルが問われるということを覚えておきましょう。