ひろみちお兄さんを襲った脊髄梗塞とは?突然誰でもなる?発症6時間以内の処置が命

ひろみちお兄さんこと、タレントの佐藤弘道さん(’24年現在55歳)が脊髄梗塞で下半身まひとなりました。『おかあさんといっしょ(NHK)』第10代体操のお兄さんとしてだけでなく、幅広い活躍ぶりで知られていた、ひろみちお兄さん。

©twitter.com/sato_hiromichi

脊髄梗塞を発症したのが、’24年6月2日、今は全く動けませんとSNSに本人のメッセージがアップされたのは、11日後。脊髄梗塞とは、どの様な病なのでしょうか。

脊髄梗塞はある日突然起こる

脊髄梗塞は背骨の中を通る脊髄の血管が何等かの原因で詰まり、脊髄への血流が急激に遮断、周辺組織が最悪の場合壊死することで発症します。稀な病気で脳梗塞の1%に満たない発症率です。

  • 症状は突然起こり発症する
  • 完治は難しい
  • リハビリが必要で、排泄など日常生活に支障がでる

高齢者や高血圧、糖尿病など生活習慣病を持つ人、もしくは術後の予後が安定しない人に発症のリスクがあると言われていましたが、現在は誰にでも発症するリスクはあると言われています。

それは脊髄の構造を知ることが重要です









アダムキーヴィッツ動脈とは

脊髄梗塞を語る上で、原因要素として知られているのが、アダムキーウィッツ動脈です。

脊髄に送られる血液は、腹部3分の2が前根動脈、残り3分の1の量は後根動脈からです。根動脈は、頚髄に2~3本、胸髄に2~3本、腰髄に1本程度存在し、前根動脈は1本、後根動脈は2本になります。

前根動脈(前脊髄動脈)は1本なので、詰まるとすぐに脊髄梗塞になります。一方で後根動脈は一方に血栓ができたとしても、もう一方が生きているので気づかないのが盲点となります。

前脊髄動脈自体の閉塞はあまりなく、胸腰部を灌流するアダムキーヴィッツ動脈の閉塞が主な原因といわれています。1本しかない前根動脈から派生した血管が何等かの原因で詰まることで、下半身不随になるのは、どういう原因があるのでしょうか。

エコノミークラス症候群が盲点になる

ひろみちお兄さんが脊髄梗塞を発症したのは、飛行機の中でした。考えられるのはエコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)です。足の血栓が知らないうちに脊髄を通る動脈に流れて行ってしまうというものです。

https://twitter.com/IXT62961634/status/1801514010325696779
©twitter.com/IXT62961634

脳梗塞の様に、どちらか半分が動かなくなる、もしくは痺れるということではなく突然体の自由がきかなくなるのです。

唯一の治療法は、血栓溶解療法ですが、治療できるゴールデンタイムが6時間とタイムリミットが決まっています。MRI、CTスキャンをして病名が確定してから治療に入るので、事実上間に合わないのが現状です。

脊髄梗塞のリハビリで困難なのは排泄に関わること

下半身まひとなる脊髄梗塞のリハビリに直面し、困難なのは排泄に関わる問題です。本人に感覚が伝わらないだけに周りとの意思疎通をどこまでやっていけるかが重要な鍵となります。

https://twitter.com/jun_san_315/status/1802454051159953547
©twitter.com/jun_san_315

どんな事があっても自分の足で歩くという鉄の意思でリハビリに臨むのが患者さんと患者さんのご家族に課せられた課題になります。

©twitter.com/1166_ai

誰でもなる危険性があると言われる脊髄梗塞。未然に防ぐには、規則正しい生活、長時間同じ姿勢のまま座らないなど、当たり前の事を心がけることが大事なのではないでしょうか。