小児アルツハイマー・サンフィリッポ症候群とは

小児アルツハイマーと呼ばれるサンフィリッポ症候群を御存じでしょうか。新生児の10万人に1人が罹患すると言われる難病で、酵素が分解するはずのムコ多糖が体内に蓄積されるため起こる病です。

産まれたころは、周りの子供と変わらないごく普通の赤ん坊だった子供は何故。サンフィリッポ症候群の特徴と症状、寿命、治療について解説していきます。

サンフィリッポ症候群はムコ多糖症のひとつ

サンフィリッポ症候群はムコ多糖症のひとつです。

ムコ多糖(グリコサミノグリカン(GAG)は体の臓器、頭脳、血管など生きるのに必要なものを作るのに欠かせません。細胞に栄養を運び、老廃物を排泄する体の潤滑油です。

細胞の中のライソゾームの中の酵素が欠けると、子供の成長に影響が出ます。ムコ多糖の分解酵素が少ない場合、体の中に有害物質が溜まり心身に障害が出ます。これがムコ多糖症です。

ムコ多糖症はⅠからⅣに分類されますが、サンフィリッポ症候群は他のムコ多糖症に比べ、骨格の異常や低身長などの外見の特徴が見られず発見が遅れます。ではサンフィリッポ症候群は、いつ発見されたのでしょうか。









サンフィリッポ症候群は、ひとりの小児科医が発見した

サンフィリッポ症候群は、1963年、米国ミネソタ州の小児科医シルベスタ・サンフィリッポが、ポスドク時代の研究結果を発表したことで正式に名づけられました。

サンフィリッポ症候群は、欠損している酵素の種類により、A~D型に分類されます。A型が最も重篤で、平均寿命は15歳。5歳までに喋ることもできなくなると言います。

日本人に多いのはB型ですが、20例もない指定難病です。

サンフィリッポ症候群の症状と治療法

サンフィリッポ症候群の症状は、軟便、慢性中耳炎など耳の感染症、多動、病気に罹りやすい、その他にも自閉症と間違われるなど、子供を抱える親御さんが思い当たる『様々なこと』が初期症状としてあがります。

周りの子供は、お母さんが今日何を話したかを覚えているのに、自分の子供は覚えていない。そんなことはないでしょうか。

サンフィリッポ症候群は、神経組織が変性して脳にダメージを与える病気で、ウィルスなどの感染症が原因ではありません。

産まれた時は元気な子が、運動能力や理解力が失われ、半日以上寝ていることもあれば、痙攣をおこすこともあります。車椅子になりますが、原因は未だに不明で対処療法しかないと言われています。

世界中で同じ病気と闘っている子供は沢山いるのです。