PPI(プロトポンプ阻害薬)の長期服用は新型コロナになりやすい?
胃痛第一選択薬として知られるPPI(プロトポンプ阻害薬)の長期服用が新型コロナ罹患リスクを高めるとして危惧されています。何故でしょうか。
PPIと以前紹介させて頂いた胃酸過多で買える市販薬との違い、副作用、服用すべき期間もあわせて紹介させて頂きます。
胃酸抑制剤の薬には2種類ある
胃痛の薬には以下の2種類があります
- PPI(プロトンポンプ インヒビター)
タケキャブ、タケプロン、ネキシウム、パリエットがあります。 - H2ブロッカー(ファチモジン、ニサニジン)
ファチモジンは『ガスター10』として市販されています。
PPIとH2ブロッカーの違い
PPIとH2ブロッカーの違いは以下の通りです。
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- PPIは先発薬のみ。薬価は100円以上
- 医師の処方箋なしでは服用出来ない
- PPIは就寝前1錠で効果発揮、H2ブロッカーは1日2錠
- H2ブロッカーは市販薬があるので手軽に入手できる
PPIとH2ブロッカーを併用しない理由についてはこちらの動画を御覧ください。
PPIの服用は何故2週間なのか
PPIは日本では武田製薬(タケキャブ、タケプロン)、ネキシウム(アストラゼネガ=第一三共)、パリエット(エーザイ)が市場をしめています。世界ではネキシウムが有名です。
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薬効が強い為、2週間を目途に集中的に服用する事が求められています。服用機関が決まっているのは併用禁忌となっている真菌薬、抗血栓薬、免疫抑制剤などが多いからです。
消化運動改善薬は何故処方される?
PPIやH2ブロッカーは胃酸の過剰分泌を抑えたり、ピロリ菌の除去補助になる役目をします。その為胃の正常は働きを抑えてしまう危険性があります。
弱った胃腸を健康にする為に、症状によっては消化運動改善薬を同時に処方する場合があります。
市販薬ですとガスモチンです。
漢方ですと恵命我神散(ケイメイガシンサン)ですね。こちらは脂ものを食べすぎて胃酸過多になった場合、胃もたれや食が細くなったのを体質的に改善する漢方です。
市販の胃薬は粘膜保護成分が含まれている
昔の胃腸薬といえば胃粘膜保護成分が主成分で、胃酸抑制剤は入っていなかったのです。その為、胃痛でも効果がなかった事があげられます。
胃粘膜保護成分がメインの胃腸薬でも効果がなかった場合は胃酸抑制剤に短期集中で切り替える必要があります。
PPIと新型コロナの関連性は?
PPIの服用目安は2週間とされていますが、2週間を超える長期服用が悪いとされる理由は懸念される副作用があるからです。
その1つが肺炎です。
’17~’19年にかけて、米国、台湾で認知症患者の施設でPPIを長期服用している入居者は肺炎を発症するリスクがH2ブロッカーを服用している入居者よりも高くなる事が判明しています。
さらに腎機能や肝機能が年齢と共に低下してくる事も判明しているのです。
薬効が強い薬には理由があり、短期間集中で服用しなければいけない事がわかります。