ノババックスワクチン承認・アストラゼネカ大量廃棄・新型コロナワクチンの行方は?
’22年4月19日、米製薬会社ノババックスのコロナワクチンが承認され、’22年6月から接種が始まる見込みとされています。
新型コロナワクチンの二大主流と言われたmRNAワクチン、ファイザー社とモデルナ社のワクチンでは接種できなかった人にも門戸は広がるのでしょうか。
また副反応の大きさと効果の少なさが反比例したアストラゼネカワクチンの大量廃棄問題はどうなるのでしょうか。
ノババックスのワクチンはインフルエンザワクチンと同じ仕組み?
ノババックスのワクチンは原理としてインフルエンザワクチンと同じ組み換えタンパクです。
ウィルスのタンパク質の一部を、増殖させて作るもので他にB型肝炎、破傷風ワクチンなどで既に実績があります。副反応も他のワクチンに比べて少ないのが特徴です。
他のワクチンと比べると以下の特徴があります。
- mRNA(ファイザー・モデルナ):体内を薬品工場にして免疫をつける
- ウィルスベクター(アストラゼネカ):チンパンジーの風邪のウィルス(アデノウィルス)にコロナウィルスの遺伝子をのせる
- 組み換えタンパク(ノババックス):コロナウィルスの遺伝子を別のタンパク質で培養する
モデルナと同じように米国の製薬バイオ企業が作ったワクチンで、原則3週間隔で2回接種。2回目以降からは半年経過後に3回目接種で、他のワクチンと交互接種でも有効性は変わらないとされています。
’22年のGWには4回目接種となる高齢者もいる日本。1回目、2回目はLINEのみならず普通の電話回線もパンクする大事になったワクチン接種でしたが、1年たてば、どこでも接種できるようになると判った途端、働き盛りの間では『今更ワクチンは』という声もあがっています。
具体的な有効性はあるのでしょうか。
変異株に対する有効性は?
ノババックスの日本の製造はモデルナと同じ、武田薬品工業になります。
’12年に整備した新型インフルエンザのワクチン製造ラインを改修し、ワクチン原液とノババックスが供給する免疫増強剤を重点して作られます。
ノババックスのワクチンは政府が1億5000万回の契約を結んでいるので無料で受けられますが、早ければ6月上旬にかけて各自治体に出回る見通しです。
日本がノババックスワクチンを買い付けた’21年下半期当時、米国での臨床結果では9割の患者に対し効果があると言われていましたが、変異株に対する有効性は下がります。
アストラゼネカワクチンの行方は?
’22年GW現在、日本政府が4回目接種を見越し購入したワクチンの総額は2兆3356億円にのぼります。その内訳は以下の通りです。
- ファイザー:3億9900万回
- モデルナ:2億1300万回
- アストラゼネカ:1億2000万回
- ノババックス:1置5000万回
トータルで8億8000万回購入し、アストラゼネカの2回目接種はわずか11万回。内訳は先行接種対象者や高齢者だと言います。
’22年GW現在で3回目接種率は5割に満たない日本。9割は高齢者です。アストラゼネカワクチンは保存期間が短いこともあり既に日本政府は在庫のうち4300万回は東アジアなど困窮国に配布したと発表。
これは日本だけでなく海外にも同じことが言えます。
残り6000回分のワクチンは期限切れとなるため、廃棄になると言われていますが、この様なムダ使いをしてもいいのかワクチンの供給を読めない政府の対策が懸念される所です。