【聞き取り困難症】聞こえてるのに聞こえない・詳しい症状、受診できる診療所解説
聞こえているのに聞き取れない。聞き間違いが多い。個室でマンツーマンで、ゆっくり話して貰うと理解できるのに、イベント会場で誰が何を話しているのか理解できない。その為に人間関係がギクシャクする。よからぬ誤解を受けて嫌な思いをするということはないでしょうか。
これは聞き取り困難症(Listening Difficulties=LiD)と呼ばれる症状で、人口の0.2~5%いるそうです。今回はLidの詳しい症状、対処療法、療法が受けられる診療所もしくは総合病院、周りの接し方について解説します。
聞き取り症候群(LiD)は、難聴とは一線を画す
聞き取り症候群は難聴ではありません。確立された原因は不明で、聴力検査では判らないのです。LiDの患者さんは以下の特徴があります。
- 知った、言った、佐藤、加藤など聞き間違いが多い
- え?何?など聞き返しが多い
- 集中力が途切れると周りの話を聞き続けられない
- 周りの認識不足から鬱や発達障害に移行することも
- ひとりでコツコツマイペースでする作業は得意
- 口頭でホウレンソウを行う職場は苦手
LiDの患者さんは、脳の中で雑音と聞き取るべき音を分ける『カクテルパーティ効果』が弱いため、頭の中は常に音の洪水です。
周りに存在する全ての音は同じボリュームで耳から入ってくるので『情報』として振り分けるのが困難になります。
日本の聞き取り困難症の治療は
欧米では戦後すぐ始まった聞き取り困難症の対処療法と研究ですが、日本では令和シングルに、ようやくはじまったばかり。
令和シングル現在、本格的な治療を受けられる病院は全国でも20病院強しかありません。
全都道府県に1つ、総合病院が窓口になるのが理想的といわれている聞き取り困難症の診療体制ですが、まだまだ整っていないのが現状です。
聞き取り困難症の対処療法として挙げられるのは以下の通りです。
- 環境調整(精神的にストレスのかからない場所で仕事や趣味をする)
- 公私共々周りの人々の理解を得られる場所に身を置く
- 早寝早起き、暴飲暴食をしないなど生活リズムを整える
- 補聴器の利用
これらの治療より一番大事なのは周囲の理解です。音は耳に入ってきても『情報』として整理されるには一定の条件が必要なのが『聞き取り困難症』なのです。
周囲の環境を整えることが大事なのを心がければ良いでしょう。