降圧剤服用で緑内障に?高血圧患者7割が服用するあの薬が原因か

降圧剤を服用する患者は国民の2割。高血圧は様々な病気を併発するリスクがあり、降圧剤を服用することで他の生活習慣病や慢性疾患を遠ざけると言われていました。

ところが令和初期の英国の研究機関が、特定の降圧剤の服用が緑内障発症もしくは悪化のリスクがあると発表したのです。降圧剤を服用することが眼圧を下げる意味で良いとされていた緑内障治療。令和の研究結果はどうなったのでしょうか。

Ca拮抗剤の処方が緑内障を進行させる

特定の降圧剤で緑内障発症や悪化する可能性が高くなると論文で発表したのは、ロンドン大眼科研究所・Alan Kastner氏のチーム。

彼らはカルシウム拮抗剤が、緑内障を悪化させる影響について、’23年9月7日付・JAMA Ophthalmology誌電子版に発表。降圧剤は緑内障治療に有効と信じられていた神話を覆しました。

英国では高血圧患者の最高40%にCa拮抗薬が処方されています。副作用も少ないことから日本でも高血圧の第一選択薬として処方されていました。英国のチームは緑内障患者の病状の進行と併用する薬の因果関係を調べていたのです。

その結果、Ca拮抗薬と抗うつ剤のセロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が、緑内障を進行させるリスクがあると示唆されていましたが決定打に欠けていました。

そこでAlan Kastner氏のチームは、UKバイオバンクの統計結果を頼ったのです。UKバイオバンクには緑内障患者50万人の遺伝子情報だけでなく普段服用している薬なども詳しく記載されています。

UKバイオバンクのデータ解析の結果、3.3万人はCa拮抗薬を服用。その他の薬を服用している患者と比較して病状が進行していることが明らかになりました。

Ca拮抗剤と緑内障の病状の進行は、どう関係しているのでしょうか。他の降圧剤では問題はないのでしょうか。









Ca拮抗剤が網膜に作用する

Ca拮抗剤が緑内障の進行に影響すると言われる原因は、Ca拮抗剤独特の降圧作用にあります。

人間の身体の中には細胞の機能を調節する『カルシウムチャンネル』があり、カルシウムチャンネルは細胞の膜に密着して作用しているのです。Ca拮抗剤は元々狭心症の薬で、心臓の近くの太い血管のカルシウムチャンネルに密着。血管を広げ、血液を流し、降圧するのが薬理です。

その一方で、体の至る所にある、カルシウムチャンネルに密着するので、網膜を薄くしてしまうという危険性も示唆されています。これが緑内障との因果関係であり、現在も研究中です。

降圧剤を処方する循環器内科と、眼科の連携は取りにくいのが実情。盲点と言えるのではないでしょうか。医師側が気付かないこともあります。

種類豊富と言われる降圧剤も、人によって合う合わないがあります。加齢により血管や臓器の働きが衰えている人がむやみに血圧をさげると、ふらつき、めまいにつながることもあります。

降圧剤を変える場合は慎重に、候補をいくつか選んでみましょう。










合わせて読みたい!関連記事一覧

コメントを残す

このページの先頭へ