親の唾液で赤ちゃんのアレルギーが減る?親が気を付けるべきは虫歯
親が使ったスプーンや、おしゃぶりを介し、赤ちゃんの口に大人の唾液が入ることでアレルギー性疾患が発症するリスクが低下する。和歌山県立医科大、兵庫医科大学、獨協医科大の連携研究で明らかになりました。
噛み与えがアレルギーリスクを抑える
親の唾液で赤ちゃんのアレルギー発症率が減るという研究の前提にあったのは、乳幼児に親が子供に噛み与えで食べ物を与えることで、学童期のアレルギー(湿疹)を防ぐことができるという研究結果が出たからです。
生後1歳までの間に、親から口腔内微生物を受付ることで、赤ちゃんの中で、アレルギーと戦う免疫力が作れるのではという仮説を立て、研究が進められました。
研究チームは、’16年~’17年にかけて、石川県と栃木県の小中学生3380人と保護者を対象(回答率94%)に疫学調査を実施。
乳幼児に親が口に入れたおしゃぶりを使っていた子供が76人居て、その子供たちのアトピー性皮膚炎の発症リスクは65%、鼻炎は67%、親と同じ食器を使う子供のアトピー性皮膚炎の発症率は低かったのでです。
コロナ禍の影響や、手足口病の流行もあり、親御さんは、徹底消毒に気を付けているかもしれません。何故この様なことが起こるのでしょうか。
虫歯菌の感染リスクが高くなるのは1歳半から
親からの唾液で免疫力がつくのは1歳までで、虫歯の原因となるミュータンス菌への感染リスクが高くなるのは1歳半前後と言われています。アレルギーに対する免疫力が固まるのは、生後1~2カ月です。それまでの間に親からの唾液でアレルギーのリスクを減らすのが課題と言われています。