【医薬品自己負担】先発医薬品負担金の計算方法は?自己負担免除の場合も紹介
令和6年(2024年)10月より、後発医薬品がある薬で先発医薬品の処方を希望する場合は、特別料金が加算(消費税込)されました。
自己負担薬では、主にどんな患者さんが対象になるのか、何故後発薬を推奨するのかという背景について解説したいと思います。
生活習慣病、指定難病の患者さんが主な対象になる
今までも風邪で病院に行った後、処方箋薬局で、抗生物質以外ジェネリック医薬品に変えた方が、薬価が安くなると言われたことはないでしょうか。処方箋が5日~2週間で終わるものなら構わないのです。
今回主な対象となるのは、生活習慣病や指定難病で、長期間お薬を服用されている患者さんです。
例えば処方されている薬が、いつも先発薬で薬価1錠50円、後発が30円とします。差額20円の4分の1にあたる5円×処方日数+1日の服用量が自己負担金になります。この計算で、先発薬の自己負担金を割り出すと、1日2回朝晩服用で、5×2×31=月額310円が自己負担に、年に3720円が患者さんの自己負担となります。
これでもまだ軽い方で、膠原病の場合は1万近く自己負担になるのです。
疾患により自己負担金の額が大幅に変わる制度は不公平に思いますが、何故この様な制度が法律として通ってしまったのでしょうか。
医薬品自己負担は国民皆保険維持
医薬品自己負担は表向きは国民皆保険維持となっていますが、保険料を納めていない外国人の分の医療費を支払っているのも、理由のひとつです。外国人が保険に入り、日本に税金を納めていれば、今回の医療費自己負担制度も先送りされていたかもしれません。
医薬品自己負担制度が始まったといっても、下記の場合は、保険適応として先発薬が処方されます。
- 流通の問題で医療機関もしくは処方箋薬局に後発品がない場合
- 検査の結果、該当する後発薬では、先発薬に比べ効力がないと医師が判断した場合
- 後発薬服用後、症状の悪化、もしくは副作用が見られた
この他にも、先発医薬品の方が、後発よりも薬価が安いということもあります。
こちらは咳止めとして知られるメジコン(後発:デキストロメトルファン)の例です。薬剤師さんと相談して、どちらを処方して貰うか考えましょう。
いかがでしたでしょうか。厚生労働省は後発薬の処方を推進していますが、何でもかんでも後発薬を使えばいいというものではありません。自分の体を守るのは自分自身という事を念頭に置き、先発医薬品を使い続けるものは、お金を払うという選択肢を取ることも大事です。