【映画・余命10年】肺動脈性肺高血圧症とは?原因不明の難病
’22年に公開された『余命10年』の題材にもなった、肺動脈性高血圧症。
国の指定難病で、治療法がなかった時代は余命2年とされていました。
治療法が発達した現在でも、病気のない人と同じ様に生きられるとは限らないのが現状です。今回は肺高血圧症について解説します。
肺高血圧症とは
肺高血圧症は、国の指定難病86に認定されいて以下の事が当てはまります。
- 特発性(IPAH)と遺伝子性(HPAH)に分かれる
- 遺伝子性は、遺伝子異常が原因
- 基礎疾患を持たない
- 肺動脈が狭くなるのが主な病状
- 初期自覚症状が、ほぼ判らない
- 自覚症状が出た頃には病状が悪化している
- 100万人に1~2人の発症
- 原因は不明
- 3系統の飲み薬もしくは、24時間の点滴薬
- 薬が高額なため、欧米は単剤で処方する
肺高血圧症は、肺に血液を送る肺動脈という血管が狭くなって流れが悪くなることで、病状の進行度により患者の健康状態は変わります。
- Ⅰ度:無症状
- Ⅱ度:周りと同じペースで歩けるが息苦しい
- Ⅲ度:他人と同じペースで歩けない
- Ⅳ度:安静にしていても、息苦しい
肺高血圧症になると、血血液中の酸素を増やせなくなるので、最初に出現する症状は労作時の息切れ、呼吸困難です。’90年代まで有効な治療法がなく5年生存率は2割に満たない重篤な病気でした。
その為、治療介入を行わなかった場合、診断からの平均生存期間が2.8年。病状が見つかった直後に突然死、右心不全、喀血があったのです。
初期症状は、周りからの理解が全く得られないのも非常につらい病です。
医療経験のある医師を見つけるのが寿命を延ばす鍵
肺高血圧症の患者さんが寿命を延ばすには、病に対する正しい知識を持ち、患者の寿命を延ばそうとする医師に巡り合う必要があります。
エポプロステノール持続静注療法
3種の飲み薬が聞きにくい方は、カテーテルを体内に留置。24時間持続的にフローランという肺の血管を開く薬剤を投与します。これをエポプロステノール持続静注療法と言います。
点滴療法と飲み薬の組み合わせで、さらに日本では、各系統の飲み薬や点滴薬を組み合わせて使用することで、5年生存率は85%に改善しました。しかし病状が進んでしまうと、薬の効きが悪くなるので、早期診断早期治療が大切です。