体部白癬ってどんな病気?汗疹と勘違いしやすい症状

体部白癬

脇の下や乳房の下など、肌が重なって湿気や汗が溜まるところにはかゆみを初めとしたお肌の異常が出やすいです。
不快な症状が出てもあまり珍しいことではないので、かゆみ止めやベビーパウダーを塗ってそのまま忘れる事が多いですよね。
でも、薬を塗っても改善しない場合やお肌の異常が広がる場合は、ただの汗疹や湿疹ではなく体部白癬という病気かもしれません。

体部白癬ってどんな病気?

白癬というのは真菌が原因となる水虫と同じ症状のことを言います。
それが体に発生することで体部白癬という名前になっており、部位によって股部白癬・頭部白癬・爪白癬など名称が変わります。

水虫というと足の指のイメージがとても強いですが、原因となる真菌はどこでも繁殖する力を持っています。
真菌が付着した部位が繁殖しやすい場所であれば、足の指にかかわらずに水虫として痒みを伴う異常を発生させるので体のどの部位でも発症する可能性があります。
真菌はとても身近でどこにでも存在しいるので肌に付着すること自体は珍しくありません。
それが肌が弱かったり衛生環境が悪いと根付いて体部白癬として症状を出してしまうわけです。

水虫菌は高温多湿な環境を好むので、汗や皮脂が溜まりやすい場所に発生することが多いです。
脇の下や女性であれば乳房の下が特に多く、汗疹ができやすい場所と重なるので初期の段階では体部白癬だと気づくことは殆どありません。
かゆみ止めを塗っても改善しなかったり、異常が現れている範囲が広がる場合は体部白癬の可能性があります。

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体部白癬の主な症状は?

湿疹や汗疹と間違われ、発見が遅くなってしまうことが多い体部白癬ですが特徴がいくつかあります。
早めに発見して治療したほうが治りも早いので、当てはまる場合は要注意です。

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体部白癬の症状の特徴は、他の部位の白癬と同じように激しいかゆみです。
虫刺されや汗疹よりも痒みが強いことが多く、掻いても掻いても手が届いていないようなむず痒さがつきまといます。
同時に灼熱感もあり、痒みが強くなると患部の熱と赤みも強くなり非常に激しい症状が現れます。

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体部白癬は巣食っている真菌を抗真菌剤によって退治しないと治りません。
その為、かゆみ止めとして有名なステロイド外用薬や抗ヒスタミン剤を用いても、一時的に痒みが収まるだけで症状は改善しません。
特にステロイド剤は真菌の餌になるので、誤って塗り続けると症状を広げる原因になってしまいます。

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体部白癬の原因は真菌なので、真菌が付着した場所にはどんどん広がっていきます。
汗疹なども掻くと広がりますが、体部白癬の場合は掻いていなくても広がったり少し離れたところにも同じ症状が現れることがあります。
これは白癬菌が付着した指などで別の部分の肌に触れたことで、隣接していない場所にも体部白癬が発症したということです。

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体部白癬の初期の段階では、見た目は湿疹や汗疹、蕁麻疹とよくにています。
途中からは非常に特徴的なドーナツのように赤く縁取られた円形の湿疹のような状態になっていきます。
円の中心部は白っぽく正常に見えるのが大きな特徴で、一見すると改善し始めているように見えます。

体部白癬
足の指に出来る代表的な水虫は、粉を吹いていたりぐじゅぐじゅになっていたりします。
しかし、体部白癬の多くはそういった症状はなく、酷い湿疹や蕁麻疹のように見えることが多いです。
体部白癬も長期間放置すると角質が分厚くなって次第に剥がれ始めるリンセツ(鱗屑)という症状を伴い始めますが、基本的には粉や膿は出ません。

体部白癬自体は重篤な病ではなく、適切な薬を塗れば直ぐに改善するものです。
しかし、見分けがつきにくいという理由で発見が遅れ、拡がって慌てて病院に行くということが多いです。
少しでも長引く湿疹や異常なまでのかゆみがある場合は体部白癬の可能性を考えた方が良いでしょう。